キーんコーンカーンコーン…


 学校が終わり、教室に笑い声が響く。
 そんななか、1人急いで帰ろうとしている人がいた。
 
由「さやぁ~もう帰るの?じゃぁ一緒に帰ろっ!それと今日泊めてくれない?またお母さんと喧嘩しちゃって…家に入れないんだよねー。」

 高校で出来た親友、加賀美さや(かがみさや)。
 喧嘩するたびに泊めてもらっていたりする。

さ「…あ、うん…。ごめん、今日は泊められない…。」

由「…へ!?珍しいね…どうして?なんかあった?」
 
 今日のさやはなんだか浮の空で教室でもボーっとしてたのだ。
 
さ「…な、内緒だよ?あのね…そ、その…ぅ…。」
 
 なにか隠してる…?視線が右へ左へ…。
 
由「何?起こらないから白状しなさいっ!!w」
 
さ「…彼氏ができて…今日…家に泊まるのっ!!」

 …ん?何…?………はあぁぁ!?
 
由「えええぇぇぇっ!?さや、男嫌いだって言ってたじゃん!なんで!?」

 そう、私とさやはいまだ彼氏を作ったことがない。
 男が嫌いなのだ!決してモテないわけではない。
 その点は、さやと私の気が合うところでもある。
 …外見はさやよりは可愛いと自負していたりする。
 告白された回数も…かなりある。
 でも…さやに彼氏??なんで…。

さ「ちょ…さや、みんな見てるっ///」

 あれ…いつの間にか駅のホームに来ている…。

さ「実は…告白された時、うちが男嫌いだって言ったら…好きになるまで待つからって言われちゃってさ…。なんか、ドキドキしちゃったんだよね。」

 …………!!!!?????
 
由「どどどきどきって…なっ…さ…!?」

さ「由良…言葉がなくなってるよーwてことで…じゃっ!」

 よっぽど楽しみなんだね…足がスキップになってるよ…さや。
 1人ぽつんと駅に取り残された私を慰めるようにアナウンスは響く。とりあえずこれからのことを考えるために街へと足を運んだのであった…。