教室を出て、すぐに俺は玄関へ向かった。
ふと、あることに気づき、後ろを見る。
…またかよ…アイツいないし…。
また迷ったのかよ…。何回ここに来てんだよ…
携帯を開き電話を掛ける。
…あれ?なんでつながんねぇの?あ…
充電してないのか…?
呆れて待っていると約20分後に先生と一緒に
出てきた。…やっぱりバカだ。
「おい!結愛!携帯、んでつながんねぇんだよ。」
「ゆーくーーーん!!」うわぁ!泣いてやがる…
「おぉ。1年の山本優だな。」先生が声をかけてきた。
「は?誰?どこの担任?」教師っつーのに
興味がねぇから名前まで知らね。
「2年3組の担任だ!それくらい覚えておけ!」
笑い交じりで言ってけど…つまんね。
「で?そいつ早く返して。」
この「かえして」は「俺に結愛を返せ」
って意味なのに先生は
「早く家に帰してやれ。」って意味だと勘違い。
「そうだなー。お前も帰るならこの子も家に送ってってくれ」
当たり前だよ。んで置いてくんだよ…
「わかってる。」
「じゃ、頼んだぞ。」
そう言って先生は自分の車に乗って帰って行った。
バカだな先生。これ…俺のだから。
「結愛泣いたろ。目ぇ真っ赤だぞぉー!」
そう笑顔で言って涙をぬぐってあげた。
「ほら。帰ろ?」頭を撫でて、手を握る。
時計を見るともう9時半…。
結愛、親とか大丈夫かな…
「結愛、メールとか来てないの?」
「大丈夫。充電切れてるし」
ってアハハって笑った。
「そっか」
しばらく沈黙が続いた。
俺らはコンビニに行くことにした。