ジャリ
と、砂を踏み締める音がして、
私は空を見上げていた顔を、
唯一外と繋がっている金属の扉に向けた。
この忘れ去られた公園に人が来るなんて、
どれくらいぶりだろうか。
スーツを着たサラリーマンだ。
手にコンビニの袋を提げている。
こういう事がわかるのだから、
自分で思っているより長いこと眠っていたわけではないのかもしれない。
その人に私の姿は見えていないようだ。
彼は俯いたまま隣のブランコに座った。
ハァと吐き出された息。
彼の向こう側に見えるビルの隙間から、
楽しそうに歩いていくOLが見えた。
それを見て、
ああ昼休みか、
と思った。
彼は俯いて、
コンビニのロゴが入った白いビニールの袋を見つめている。