いつまでもどこまでも…



side 陸


あれから何時間たっただろうか


友香の部屋の友香のベッドに寝転んで

ただひたすらに友香がいた事を確かめるように

まだ友香の香りがのこる布団に包まれて

目をつむり友香との思い出を駆け巡っていた



“〇〇のいないこの空間は色あせて見えた”

よく恋愛小説であるこのセリフ。

前までこんなことありえるわけがない。

病院行ったほうが良い。

そんなことを思っていた





でも今確かにそう見えている。


実際には物体に色はついているだろう。


でも今俺の目はまるでモノクロカメラでうつしているような世界でしか見えない


ただ今俺の目に写る色は


目をつむって思い返す友香との思い出だけ。


「ともか…」



そうつぶやいたときだった。

ピーンポーン


家のチャイムがなった。

俺は友香が帰ってきた。
そう思い急いで家の扉を開いた。


「友香ッ」
「残念ながら、友香ではありません」


そこには俺の友達の健がいた。


「お前が学校に来ないから心配してみに着てやったんだけど…なんかあった?」

「…悪いけど、今は帰って」

「は?」

「今、人と話してる気分じゃない」

「お前、友香ちゃんとなんか合ったんだろ」

健は本気で俺のことを心配してくれてるんだろう。
現に眉間に皺を寄せて困ったような悲しそうな怒ったような

なんともいえない顔をしている。

でも…
「人に話せるようなことじゃない」

「は?とにかく中に入れろよ」
「ムリ。」




「お前…俺らダチだろ?他人じゃねーだろ。
汚い話でも他人から見たら軽蔑するような話でも
俺は受け入れてやる」



この言葉で、俺は健に話す事にした。




「おじゃまします」

「そこのイスに座って」

リビングにあるソファーに健を座らせ、俺は話し始めた


「俺は友香に最低な事をしてきた…


それから時間をかけて浮気した事、別れた事、俺の今の気持ち


全部話した。


「お前、バカだろ。でも、お前後悔してるから
別にこれ以上攻めたりしない。でもそんだけ後悔してんならもう一回話し合えよ」


「どこにいるかわからない。電話も出ない。メールはエラーになる」


「今回はおれが何とかしてやる。貸し1な。」

そういうとポケットからケータイをだし、どこかにかけ始めた。



「もしもし、胡桃?俺。友香ちゃん知ってる?
あっまじ?おぅ…丘島公園にって。うんりょーかい」


しばらくして健は耳からケータイを離し、

「丘島公園。あとはおまえ自身の問題」


俺は玄関を飛び出した。


side 友香


私はいま丘島公園にいる。


なんか胡桃がそこに行けって。

行かないと今日泊めてあげないよって

なんか脅してきたから来てるけど


もう夕方子供も帰っていく時間の公園には今私一人


絶対変人だよね。


そう思ってると人影が見えた。


その人物は私のしっている人物で

今一番会いたくない人で

でも今一番声が聞きたい人


私の足は自然に動く。


あの人がいる方向と反対の方向へ。


行こうとした。でも


「友香ッ!友香ッ!」


その声に私の足はぴたっと止まる。


私は暖かいものに包まれた。




本当は拒むべきなんだろう。

でも私にはできなかった

だってさっき私を呼び止めた声が

悲しそうだったから。



「友香…聞いて。俺浮気してた。
でも俺後悔してんだ。友香いないと俺無理なんだ」


「そんなこと…終った話でしょ」

「終ってない!おれまだ友香のこと好きだから
大好きだから。愛してるから。だから…お願い離れていかないで」


「私を引き離したのは陸でしょ」

「もう離さない。絶対。離せない」

「本当に?私を幸せにしてくれる?」

「絶対幸せにする」



いつまでも、どこまでもずっと


幸せにするよ



あれから5年


子供が二人。男の子と女の子。


それから私の隣には陸。



私は今とっても幸せです。


~end~


あーすごい時間がかかってしまいましたがとりあえず完結しました



ここまで読んでくれた読者の皆さん

ありがとうございました!


なんかすごい暗い話みたいになってしまいましたが

ハッピーエンドに終れてよかったです


これからもよろしくおねがいします♪


*みるくぼーろ*

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