「僕が手本見せようか? 相手はこの子だけど」

「ちょっとっ!あたし、セリフなんて知らないし…」

「いいんだよ、僕が勝手にしゃべるから、それにあわせてくれれば」

その場に立たされて、断れない雰囲気になった。

「ジュリエット… 私は貴女を愛しています。どうすれば私の気持ちを信じていただけるのですか?」

まっすぐにあたしを見つめてくれる、優しい視線。

さっきの秀君からの告白が、頭をよぎる。

この人が、あたしの側にいてくれたら、本当に幸せだと思う。

でも、それでも、あたしは叶わない恋を選んでしまうの…