「雅樹~、帰ろ?」


今日も私は勇気を振り絞って
彼氏の雅樹を帰りに誘っています。


「ん」


雅樹の返事は、いつもそれだけ。
それだけ言って、雅樹は席を立つ。


雅樹は、私を待つことなく
先々歩いて、教室を出ていってしまった。


「はぁ……」


あたしは、小さくため息をついてから
雅樹のあとを追い掛ける。