すると突然、ほのかの指がピクリと震えた。 その感覚を受け取ったあたしは、どうしたものかと顔を上げてほのかを見た。 「ほのか?」 ほのかはあたしを見ていなかった。 どこか遠くを見ている。 あたしはほのかが見ている先―――視線を追う。 「え」 思わず声がもれたのはあたし。 意識せずして口から言葉が漏れた。 あたしは驚いて目を見開くと、ほのかも同様にただ目を見開いた。