「面白い人間の子を飼っているな」

「あげないよ」

ティアナを抱きしめて独占欲丸出しのアンドラス。

「欲しい」

マルコシアスははっきりと告げた。

「あげない!」

「欲しい」

「あ、げ、な、い!!」

「欲しい」

繰り返される言葉にアンドラスは切れた。

全身から凄まじい気を放出させ怒りをむき出しにする。

ティアナはその気に当てられ苦しげな表情をした。

頭がひどく痛み出す。

破壊の悪魔が本気になれば、体から放出される気だけで人間を死に追いやることができる。

シルヴェスターはティアナの命の危険を察知し、無礼を承知でアンドラスを羽交い締めにした。

「放せ!!シルヴェスター!」

「いけません!主の気でティアナ様が死んでしまいます!」

シルヴェスターの言葉に我に返るアンドラス。

「ティアナが、死ぬ…?」

放っていた気を静め側にいるティアナを見る。

少女は頭を押さえ、呼吸困難のように口をぱくぱくさせている。

「大丈夫かお嬢ちゃん!」

「意識はありますね。安静にさせましょう」

バシンとサリエルは辛そうなティアナを抱え上げ、家の中に入っていった。