空いているスペースに墓穴を掘っていく。

シルヴェスターはアンドラスのを、ライナルトはティアナのを、とそれぞれ分担して作業した。

「隣同士で眠れるなんて…うらやましいな…」

穏やかな悪魔の軽い嫉妬から出た独り言。

死体すら残らずにこの世を去ったライナルト。

彼はアンドラスを恨んではいないが、たまに無性に悔しさが込み上げてくるのだった。

(まあ、過ぎたことだし。今さらうらやましがっても仕方ないか…)

ライナルトは頭よりも手を動かし、無駄な考えを断ち切った。




 少しして、見事な穴の出来映えに彼らは満足した。

「よし!じゃあ、持って来ようか」

二人がかりで一人分の棺を運ぶ。

彼らはまずアンドラスの棺を墓に移動させた。