浅黒かった肌は雪のように白くなり、燃えるような赤い髪は真っ青に染まり、濁りのない青空色の瞳は血のような赤に変えられた。

「これで人間離れしたか…?」

自分の体を弄ぶ金髪の悪魔が憎かった。

殺してくれと頼んだのに悪魔として生かしたこと。

勝手に容姿を変えたこと。

それから、体を傷つけては飽きるまで血を飲むこと。


いい加減にしろというほど、毎日血を貪られていた。

いくら傷が再生しても痛みは伴う。

止めてくれと何度も言った。

しかし、ベリアルはシルヴェスターの血がお気に入りであるらしかった。

悪魔として半永久的に生かした理由もそれだろう。


(もう、辛くて…我慢の限界でした)



 そんな時だった。


「何だ、意外と弱いね」

ベリアルとその部下を倒し、不敵に微笑んだ悪魔、アンドラスと出会った。

「ん?君、見ない顔だね。もしかして元人間?」

ベリアル同様、アンドラスにぼこぼこにされてぐったりとしていたシルヴェスターにかかる声。

「ベリアル!戦利品として、こいつ貰うから」

そう言われ、掴まれた腕。