しかし、父親は遊びだったらしい。

本気で母親を愛してはいなかった。

ゆえに、実子であるにもかかわらず彼も父親からは愛を与えられなかった。

その証拠に父親は彼を奴隷と同じ身分で扱い、最悪なことに悪魔の犠牲にしてしまったのである。


神秘や魔術に傾倒していた父親は、単なる好奇心で呼び出してしまったのだ。

地獄の悪魔の中で最も醜悪な悪魔、ベリアルを。

彼は父親に命じられた。


「供物になれ」と…。



「其方、震えているのか?ククッ、言ってみろ。どうしてほしい?」

ベリアルとの初めての会話。


「コ、ロシ…テ」


すでに目の前の悪魔に体を引き裂かれ、虫の息。

ベリアルは彼の血を舐めながら言った。

「其方の願い、叶えよう。其方は人間の生をここで終えるのだ」

そして、暗闇に意識を支配された。





 次に目覚めた時、彼は悪魔になっていた。

一度停止した心臓は悪魔のものと取り替えられ、再び脈打っていた。

「ふむ…まだ少々、人間臭いな」

そこでベリアルは反対にした。

彼の体の色彩を。