「決めた!部屋に持っていってじっくり楽しむ!ごめんねシルシル、やっぱり額はいらないや」
「わかりました。では絵だけ持ってきます」
そしてシルヴェスターが運んできたティアナの絵が、綺麗に掃除された部屋に飾られていった。
彼はティアナの部屋から画材も移動させ、この部屋は小さなアトリエのようになった。
ライナルトと会った日、画材は全て外に置きっぱなしになっていたが、後にシルヴェスターが取りに行かされ今はちゃんとティアナのもとにある。
完成した部屋を眺め少女も他の悪魔も満足そうな表情をした。
「じゃあ、居間で酒でも飲もうかな」
アンドラスがのんびりと言う。
「私、自分の部屋に地図置いてくるね」
ティアナは小走りで自室に戻り、地図を広げた。
こういったものを見ると、ドキドキする。
この地図には秘密や謎が隠されているのではないか。
シャッテンブルクの知られざる財宝の在り処が示されているのでは。
様々な空想が浮かぶ。
彼女は大切にその紙を畳んでベッド脇のテーブルに置き、アンドラス達がいる居間へと降りていった。