(やっと帰ってきたんだ…俺の故郷に…)

騎士になって初の遠征に緊張続きだったが、やっと心を休ませることができる。

シャッテンブルクの町を越えた先が彼の故郷の町だ。

シャッテンブルクは「呪われた町」として恐れられているが、この町に通じる道を進むのが一番の近道である。

悪魔の噂などに踊らされず歩く兵士達。

しかし、彼らに悪魔の手は襲いかかる。





「うわああああああぁぁ!!!!!!!!!!!!」





突然、悲鳴が上がった。

後方にいた歩兵が叫ぶ。


「悪魔だぁーー!!!!」


この声は前方にいた騎士達にも届いた。

「悪魔だと!?何を戯言を!!」

老齢の騎士達は馬鹿にしたように振り返る。



その瞬間――。




一番先頭にいた騎士の首が飛んだ。


「ひっ!?」

周りにいた者達は怯み、戸惑う。

そんな中、ライナルトは見た。

白い衣装を着た見知らぬ男が、大きな剣を片手に他の騎士に切り掛かる光景を。