さて、町での良いスポットを大分描き尽くしたティアナは、更なる挑戦に挑もうとしていた。

しかし、これにはアンドラスの許可が下りなければ一生叶わない。

そこで彼女はまず保護者であるシルヴェスターを味方につけた。

「シルシル、一緒に頼んでくれる?お願い!」

「ハァー…、仕方ありませんね。今回だけです」

何だかんだ言いつつティアナに甘いシルヴェスター。

善は急げ。

善かどうかは定かではないが、とにかく、彼らは早速アンドラスに願いを申し出た。



「はあ?聞こえなかった。何か言ったシルヴェスター?」

「地獄耳が嘘をつくな」という視線を主に送る部下。

言葉にしないのが長生きの秘訣だ。

「ティアナ様が、シャッテンブルクの外に出て風景を描きたいと…」

「シルヴェスター、次に同じこと喋ったらその首切り落とすよ?」

アンドラスの危ない発言にティアナが慌てて割って入った。

「大丈夫だよ!アンドラス!そんな遠くに行かないし、シルシル連れていけば問題ないよね!?」