「「あのぅ…そちらの方は?

さっきお姉ちゃんと一緒にいましたよね?」」



花鈴と花音が声を揃えて、

亮佑に目を向けた。

ナツが孫であることを告げると、

花音が可愛らしく、含みをもたせ

ニッコリ笑ながら言う。




「先程は、ご挨拶もせずすみません!

立石 花音と花鈴です!

お兄ちゃんからよく

話は聞いています!

いつも、うちの兄と姉がお世話に

なってます!これからも

どうぞ宜しくお願いします」



花鈴も同様にニッコリ笑いながら

花音と同時に頭を下げた。



「お世話だなんてとんでもない…

早苗にはむしろ世話になりっぱなしで」


「お姉ちゃん優しいから。

誰の面倒でもよく見てくれますもん!

だから、今回はあたし達が

お姉ちゃんにピッタリの彼氏を

紹介したくって…

いつも人の面倒ばかり見ている

お姉ちゃんだけど、そろそろ

誰か甘えられる人を見つけて欲しいの」



うふふ、と笑い

花鈴と花音は後ろで3人の男たちと

楽しそうに言葉を交わす早苗に

視線を向けた。




亮佑もつられて視線を向け、

モヤモヤする感情が心の中を

満たしていく。




ナツは双子の真意に気付き、

どうにか早苗と話をしようと思ったが

声をかけようとするも、

双子が「じゃあ、また」と早苗達のもとへ

戻って行ってしまい、チャンスを失う。