「誓約者の居場所?」

「そう、居場所。普通、コパンと誓約した人達は周りの人に不気味がられるのよ。」

そうなんだー

ま、確かにちょっと怖いかも・・・

現に誓約者達の争いの所為で人も死んでるし・・・

「そこで、本部はそんな誓約者達が安心して過ごせるように誓約者だけの街を創ったのよ。」

愛が彩音の言葉を引き継ぐ。

「そんなのあるの?」

「ここからそう遠くないよ?電車で2時間ぐらいだったと思う」

うっそー

知らなかった・・・

「ていうか本当にコパンについて知らないのね、芽衣。」

「だって興味なかったんだもん・・・」

拗ねたように言えば二人は大きく溜息を吐く。

「こんぐらいあれば足りるんじゃない?」

空気を変える為に芽衣はお菓子とジュースで山盛りになったカゴを指す。

「そーだねー」

私達はそれぞれ一袋ずつ買い物袋を持ち愛の家へと向かう。

「ふぅー!やっと着いた!」

愛の家の玄関で袋を置いて三人は伸びをする。

愛のお父さんは弁護士をやっていて、家もかなり豪華で広い。

お母さんも塾の講師をやっているらしい。

あまり会ったことはないけど愛曰く「学校に一人はいそうな厳しい先生」らしい。

お兄さんもいるらしいけど今は大学で寮生活中だ。

「おじゃましまーす・・・って今日は家族いるの?」

そういえば、と彩音が愛に聞く。

「あれ、言ってなかったっけ?今日は誰も居ないよー」

「へぇー・・・じゃあ取り敢えず愛の部屋に行きますか!」

愛のお母さんが苦手な彩音はほっとしたように一息吐き、にこやかに階段を指差す。

彩音の変わりように苦笑しながらも芽衣と愛はまたそれぞれの袋を持ち2階にある愛の部屋へと向かった。