ピピピピッ・・・・

「・・・ん」

目覚まし時計の音を聞きながらベッドの中でもぞもぞと動く。

「後5分だけ・・・」

ピピピピッ・・・・

バンッ

「芽衣!!!あんた早く起きなさいよっ、今日は愛ちゃん達と出掛けるんでしょ?」

強烈な怒鳴り声と共に部屋のドアが開けられる。

「・・・起きてるよ。」

「だったら早く準備しちゃいなさい。」

勝手に部屋に入らないでよ・・・とか思いつつ渋々ベッドから這い出る。

そしてサイドテーブルに置かれた目覚まし時計のアラームを切り、未だに仁王立ちをしている母に一言。

「いつまでいるの」

「まったく!起こしてあげたっていうのに!」

母は文句を言いながらドカドカと部屋を出て行く。

「頼んでないし」

朝から怒鳴り散らす母に苛立ちながらも顔を洗い、今日着ていく服を選ぶ。

「んー・・・これにしよ。」

そう言って選んだのはふんわりとしたシルエットがお気に入りのワンピース。

鼻歌混じりに服を着替えながら今日の予定について考える。

「(今日は愛達が誕生日パーティーをしてくれる!)」

実を言えば昨夜はそれが楽しみでなかなか寝付けなかった。

「芽衣ー!いつまでぐうたらしてんの!?」

一回のダイニングから母の怒鳴り声。

「うるさいなー・・・」

折角、気分が良かったのに台無しじゃん。

母の怒鳴り声に返事をせず化粧台の前に座る。

お腹の辺りまで伸びたカールのかかった栗色の髪はあまり弄らずにそのままにし、メイクも服に合わせて薄めにする。

ネイルは白とピンクのフレンチネイルで決めて部屋を出る。