「ごめん、意地悪言った。」


私が何も言い返せず下を見ていたら、美咲ちゃんが口を開いた。


「わかってるよ?祈が要君に対してコンプレックス抱いてるの…やけど、それは間違ってる。祈は要君と比べんくても素敵な女の子。やから…要君とは違う男の子を見た方がいいと思う。瑛斗とかちょうどやと思う。性格もいいし優しいし…」



私のこと…そんなに考えてくれてたんだ。


「なにより祈のことが大好きやで?」


『っ、』



わかってる。あんな優しい目を向けられたこと…今までなかったから。


でもね、ただのブラコンとかだったら良かった。



私…今までお兄ちゃん以上にドキドキした男の子いないんだよ。


好きって言われるより、お兄ちゃんに笑いかけられた方がドキドキするんだから…。


それなのに他の男の子と付き合う…なんて。出来ないよ。