「祈が化粧してるなんて珍しい。なんかあったん?」


そう言った美咲ちゃんの顔は悲しそう。
いつも化粧したら?って言ってた美咲ちゃんだから喜んでくれると思った。


『お母さんがね?時間あるからって…朝からまいっちゃった。』


「そう?なんかあったら言ってやぁ?祈が辛いと私も辛い。」

『…ありがとう。』



美咲ちゃんはわかるんだね。
私が嘘ついても…



でも言えないよ。大切な親友だけど…言えない。


お兄ちゃんの言動、一つ一つに傷ついてるなんて…言えない。