バスに揺られて約30分。
バスは終点でもある、わたしの通う高校の前のバス停に到着した。
まだ朝早いので、
バス停の前にある正門ではなく、ぐるりとまわって裏門から入る。
外泊できるとはいっても、水曜日に帰宅して、木曜日の朝には寮にもどらなければならないのでわたし以外に外泊する人はほとんどいない。
だからだれもいない道を歩き、寮に行く。
寮の部屋を開けると、二段ベッドの上では凛先輩がすやすやと眠っていた。
女子は基本的に2人部屋で、男子は3人部屋。
部活ごとに寮が分かれていて、
凛先輩は1つ上の部活の先輩。
制服から部活のジャージに着替え、用意を済ませると、
凛先輩用に朝ごはんを作る。
凛先輩も私と同じ、低血圧。
低血圧のわたしにとっては早起きは結構つらいのだが、舜一が起こしてくれるとなぜかいつもより楽に起きられる。
だから、木曜日の朝は私が凛先輩の朝ごはんを作る。
作り終え、凛先輩を起こす。
「おはようございます。先輩。」
「おはよう。」
まだ眠いのか目をこすりながら椅子に腰かけた先輩。
なんだか可愛くて笑みがこぼれる。
ふたりで体育館に向かうと、
自主練開始。
朝練の前にふたりでいつもしている。
凛先輩は部長さん。
わたしと違って背が高くすらっとしている。