ふたりのぬくもりがまだかすかに残るベッドから出て、リビングに行くと



おいしそうな匂い。




「朝ごはんできてるよ。食べる?」



豆腐とわかめだけの素朴だけどもあったかくておいしいお味噌汁と、ほうれんそうの胡麻和え、ご近所の漁師のおじさんからいただいた鮭の塩焼きと、わざわざ取り寄せるほどのこだわりをもって選んだ白米。



低血圧で朝が苦手なわたしのために、朝はいつも彼が作ってくれる。





「「ごちそうさま。」」


今日もおいしかった。


彼の料理はなんでもおいしい。






ふふっ。


彼がわたしをみて少し笑った。



疑問に思って首を左に傾けると、




「ごはんつぶついてるよ。」


と言ってごはんつぶをとって食べてくれた。




私が頬を赤く染めると、


わたしのあたまを彼は微笑みながらくしゃっとなでた。