きっと、私はこのときから
優磨くんが好きになったんだと思う。
そのあと、何か話したけど、
頭がいっぱいいっぱいで、
ほとんど覚えていない。
手を振って、教室に戻った。
「実花ごめんっ!」
「もう、遅いよーっ
で、ちゃんと手の擦り傷消毒できた?」
「あ、忘れてた。」
「じゃあ、あんたはいったい何を
しに保健室に行ったよ。」
「ひみつ。」
少し血が滲んでる手を見て
顔がほころんだ。
さっきの出来事は、私と優磨くんの
ひみつにしておきたかった。
「ちょっとー、怪我みてにやけないでよーっ
何があったのよー?」
「えへへっ」
「もう、本当気持ち悪いっ!」
「ごめんねーっ」