「…」
「絢斗くん、私が信じれない?」
「ごめん。由美。」
「そのごめんは、どの意味?」
「俺、由美のこと本当に支えたいと思ったよ。
由美が好きだから、笑顔にしたいって。
たとえ、優磨のことが好きでも我慢できると思った。
でも、由美と付き合ったら、もっと由美が好きに
なって、止まらないんだ。由美が好きすぎて
わからなくなる。そんな自分ももう嫌なんだ。」
じわじわと鼻がツンとしてきた。
目に滴が貯まって、頬に流れでた。
「ごめん。由美。俺、由美と付き合えない。
付き合ってたら、辛いんだ。
俺から言ったのに、ごめん。」
「…ううん。絢斗くんは、…私にたくさんの
気持ちを、くれたよ。絢斗くんじゃなかったら、
っ、経験、できなかった…。
絢斗くん、ありがとうっ。」
「…ごめん。」
バン
閉まった扉をずっと見ていた。
何分たったかな。
どれだけ絢斗くんを傷つけたかな。
どれだけ、絢斗くんの優しさに
甘えてたのかな。
絢斗くんっ。ごめんね。
ごめんね。いっぱい、助けてもらったのに。
「うぅ~。うわああああ。っひっく。ご、めんね。
っ。ごめんー…。」
その場で泣き崩れた。