教室へ戻ったとき、もう授業が始まる前だった。
急いで席へ着いて用意をした。
パサ。
机から教科書を取り出したときに
落ちた一枚の紙切れ。
「なにこれ？」
四つおりにしてえる紙切れを
開いてみた。
その中には、文字が書いてあって、
『今日の放課後、屋上で待ってる。 優磨』
ぱっといつも見る優磨くんの席を見たら、
優磨くんもこっちを向いていた。
まるで、吸い込まれそうな感覚に
陥ってしまう。
ねえ、何を話すの？
優磨くんは、あたしの決意をなんで
簡単にねじまけちゃうの？
可能性がないなんて、わかってる。
でも、顔見ただけで、目があっただけで、
そんな自制、なんの意味も持たなくなるの。
気持ちが、体が、優磨くんへ向いているの。
