「だから、優磨は渡さない。」
そう、続けて言った実花の瞳は、
戸惑いがみえるけど、とても強い思いで溢れていた。
「な、なんで優磨くん?今、私は絢斗くんの彼女だよ!」
そう言ったあと、胸がズーンと重くなったことに
私は気付かないふりをした。
「うん、そーだね。どうしてかな?優磨のこと
言ってごめんね?」
「全然大丈夫だよ!また、四人で遊ぼーね!」
「あー。でも、きっと遊べないかも。」
「え!?どーして??」
「だって、もう、高校三年だし、もうすぐ夏休み
あるから、バイトもしたいし。それに、優磨との
思い出いっぱい作りたいの。」