ギィギィ音がなる、
さびれた鉄の重いドアをあけると、
辺り一面、真っ青な景色が目につく。
まるで、応援してくれているかのような
暖かい空。すべて、許してくれそうな空。
私は屋上がだいすき。
悩んだときは、よくここにくる。
「二人でお弁当なんて久し振りだね。」
ポーチからレジャーシートを取り出して
床に敷きながら、実花が言った。
こんな小さな動作、1つ1つが女の子らしい。
私が、こんなかわいくて女の子らしかったから
優磨くんも、好きになってくれたのかな。
って!今は、絢斗くんの彼女だ。
余計なこと、考えちゃだめだめ。
「そうだね。ずっと4人だったもんね。」
「はい、座って!お弁当食べよっ
今日、クッキー作ってあるの。後で食べてくれる?」
「もちろんだよっ」
腰をさっき敷いてくれたシートの上に
落としながら、言った。