すると、落ち込んでるのを気付いて
くれたのか、絢斗くんが私の手を
握ってきてくれた。

パッと顔を上げて、絢斗くんを見ると
少し顔を赤らめて、恥ずかしそうに
していて。

『恥ずかしいから、離してっ』

って思う気持ちもあるけど、
そんなの言えなかった。

絢斗くんも恥ずかしいはずなのに、
私の手を握ってくれた。

それが、何より嬉しかった。

だから、私も強く絢斗くんの手を
握り返した。
少しでも、絢斗くんの思いに答えたい。

そう思ったの。