絢斗くんは、一瞬びっくりした顔をして、
すぐにふんわり笑って、
「そーゆうの、天然胸キュン攻撃って
言うんだよ。知ってた?」
「え!?なにそれ?」
「知らないんだったら、教えないよー。」
「もう!絢斗くんひどいよ!」
そんなことを話ながら、学校までの
道のりを歩いた。
絢斗くんとの登校は、本当に楽しくて、
いつもは、片道20分の登校も
あっという間に、学校の近くまで来た。
でも、学校が近くなるたんびに気付いた。
周りの生徒たちの視線が痛い。
いつも、あたし一人の時は、こんな
視線を浴びないのに。
けど、あたしの隣りには、絢斗くん。
そうだよね。絢斗くん、人気者だもの。
そんな、絢斗くんの隣りには、
なんの取り柄もない、平凡な私。
私、このまま浮かれて絢斗くんの
隣りにいていいのかな?