絢斗くんがあまりにも切なそうな
恋しそうな顔で話すから、
なんだか、私が泣きそうになった。
「由美。由美が優磨のこと好きなの知ってるよ。
ずっと見てきたんだから、わかる。
でも、…俺じゃ駄目?俺、由美の隣にいれるなら
友達でもいいって思ってたけど、
さっきみたいに、可愛いこと言われたら
抱きしめたいし、その口にキスがしたい。」
「…絢斗くんは、実花が好きなんじゃ
なかったの?」
「実花?実花の告白は断ったよ。」
「え?」
「聞いてない?確か、あれは
実花と優磨が付き合う前日だったよ。」
頭がパンクしそうだった。
何が何だか分からなくなった。
実花は、絢斗くんに振られたから
優磨くんと付き合ったの?
優磨くんは、じゃあ何で
実花が、好きなのに私に
キスしてきたの?
わかんないことだらけだよ。
絢斗くんが私に好意を抱いてることも
知らなかった。
ううん、気づこうとしていなかったのかも
しれない。
だって、絢斗くんはこんなにも優しくて
今でも、私が泣き出しそうだから
絢斗くんまで、泣きそうな顔をしてる。