10時47分 バンガローの中



「涼しー」

バンガローに入った途端、友也は荷物を投げるように置いて体を机に預けた。



バンガローの中は一階とロフトに別れていた。ロフトはベッドが二つと小さな冷蔵庫、一階は奥には二段ベッド、その手前にあるのはキッチンで、廊下を挟んで向かいにある二つのドアにはshowerとtoiletと書かれている。玄関を入ってすぐのリビングには四人掛けのテーブルがあり、十分な広さがあった。



「ここで一週間か……。もっといたいかも」

彩が友也が置いた荷物も一緒に隅に寄せ、椅子に腰かけた。

「また来たらいいじゃん。先のことより今だよ! お腹減ったー」

「お腹減ったって言っても買いに行かないと何もないよ?」

紫音はキッチンを確認しながらそう言った。

「とりあえず買い出し行くか」

修介はシャワー室から顔だけ出した。

友也はだらしない格好から動こうとせず、

「んー……。じゃあもう少し涼んでからでいいや」