友也が人差し指の先を追いかけるように目を向け、

「おおっ!」

走り出そうとしたところを修介に腕を掴まれていた。

「ちょっとはじっとしてろよ」

「いいじゃん今くらいは。せっかく来たんだから」

そうは言ったものの、友也は修介の腕が離れても走り出さなかった。



「テレビで見たより良い雰囲気」

紫音がゆっくりと歩きながら言った。その横で友也が体をウズウズさせながら歩く。

「なんかいかにもバンガローって感じのバンガローだ」

「それどういう意味よ」

彩が笑いながら言うと、修介はほんのりと顔を赤くした。

何かを言い返そうとしたのか大きな口が開いたが、何も言わないままパクパクと動くだけだった。