「キャンプ行こっ!」

息も整わないまま汗も気にすることなく、友也は顔を輝かせて言った。その顔つきはとても高校二年生とは思えないほど幼い。

くりくりとした大きな目が紫音と彩を交互に見た。

「……すっごく意味分からないんだけど。なんでキャンプ?」

「ふふっ。多分昨日のテレビ見たからだと思うよ」

紫音は少し目を細めて友也を見た。友也は大きな目をさらに開いて、

「そう。紫音も見たんだ! 見たなら行きたいと思ったでしょ」

「うん、思った」

「でしょ! 行こうよっ」

「私は良いよ」

「ちょっ、紫音」

彩は慌てて紫音の腕を掴む。

「彩、ほんとに良い場所だから」

「いや、でも……」

「修介も来るから」

友也は誇らしげな顔をしながら彩を見てそう言った。