『この子は?可愛いよ』
『料理上手らしいよ』
『東大に通ってるらしいよ』
様々な言葉で俺を騙そうとしてきた親。
『俺、まだ結婚いいんすよね』
それに引っかからなかった俺って…
最早、天才…?
今までは清楚な人で、
断然年上が多かった。
18歳で結婚しろって言う方が
無理な話。
なのに、また。
「荘成優里愛(しょうじょう ゆりあ)でーす!!!!」
場違いな女を連れてきた。
確か荘成って…。
「ねーねー!!忍(しのぶ)くんって何歳?」
目の前の女は色素の薄い髪にでっかい目。
メイクはナチュラルで見た目は可愛い。
後は中身の問題だ。
この女は喋りっぱなし。
「18」
「じゃ、あたしの2コ上?
大人~!
あー!カルピス飲みたいっっ!!!!」
コロコロ話が変わる。
「そういえばさ、知ってた?
カエルってね、お玉じゃくしの時は
エラで呼吸するんだけど「肌もだ」」
話すことしか能力がないのに
その重要な事が結構抜けてる。
「カエルになったら肺で呼吸するんだよ!」
馬鹿じゃねーのかって思う女と、
16になったばっかのガキと、
結婚なんかしねーと思ってた。
「トイレ行ってきますね!!」
そう言って席を離れた女。
何故か俺もその女についていった。
気付いた女はこっちを…。
「な、何で来るの!!??」
「別に」
涙目になりだして…
俺は破壊した。
身体じゃなく心が。
近付き、壁に女を押しつけた。
そして、よく開いて音を発する唇を
勢いよく強く塞いだ。
俺の頬に熱い液体が伝わってきた。
…泣いてる。
「馬鹿じゃないの!!??」
唇を離すと、強くなった女。
「泣いてんじゃねーよ。
その口もう一回塞ぐぞ?」
俺も強くなった。