「…っ、」


涙が、止まらない。

視界がぼやけて、うまく歩けない。


今日の授業の内容なんて、全然頭にはいってない。
もう、しょうがない。今日は。


「せ、ん…ぱい…っ」



どうしてですか。
どうして、無理して笑えるのですか。

なんでそんなに、強いのですか。


大切な家族を、失っても、
ああやって明るく振舞えるのは、なぜですか。



先輩…

ごめんなさい…


気付かなかった私は
本当にひどい人です。




先輩、


せんぱい……っ、


ごめんなさい



ごめんなさ、




「高橋っ!」