そんな私を…――


どうしようもなく我が儘で
嫉妬に溢れた黒い私を…



先輩は

見てくれますか――













咲は昔から優しかった。


幼稚園の年少だった頃、園庭で駆け回っていた私が転んだ。

そのとき初めて『転ぶ』というものを経験したから、痛みよりもショックが大きかった。

しゃくりあげながら泣く私を見た咲は、ただ事ではないと思ったのか、すぐに先生を呼んでくれた。



――あかねちゃん、すぐせんせいよんでくるからね



その優しさと行動力は、いつも私を助けてくれた。