やってきたのは、近くの駅…、から少し離れた場所。
「あの優里花さん。
香水って、どのくらいします?
あたし買ったことなくて…」
運転手が付いた車の中。
後部座席に、あたしと優里花さんが座っていて。
あたしは、隣の優里花さんに問いかけた。
あんまりお金気にしたくないけど、1万円以上ってなってくると厳しい。
「ん~、5000円くらい?
まぁ、そこもボチボチね。
あ、着いたわよ」
車がゆっくりと止まり、ドアが開けられる。
お礼を言いながら出ると、結構有名なファッションブランドのお店の前。
たしか、メンズのいいとこ…。
「優里花さん…、まさか…」
「入るわよ♪」
優里花さんはあたしの腕を掴むと、強引に中に入る。
やっぱり入るのねーっ!!
あたしはビクビクしながら、連れられた。
「いらっしゃいませ」
中に入ると、黒や白のモノトーンを基調とした店内が広がる。
大人っぽい雰囲気で、あたしなんか浮いてる気がしてならない。
「本日は何をお探しでしょうか?」
店員さんが来ると、優里花さんがその店員を見る。
「ねぇ、ここの香水って1種類だっけ?」
店員さんは、少々お待ち下さい。と言うと裏に下がる。
「ここの香水を、優斗は使ってるのよ」