日が進むのは早いもので。
明後日はクリスマスイブなわけで。
「んー…」
ショーウィンドーを目の前に、独りで悩むのは、もちろんあたし。
この間から色々見てるんだけど、いまいちピンと来なくて。
目の前に広がるネックレスに、ため息をかけてしまう。
時計もネックレスもピアスも、勧められたらけど、どうもあたしには同じにしか見えない。
だいたい、一人で来たこと自体、間違ってた気がする。
お店から出て、何となく周りのお店を見る。
……よくわかんないなぁ。
どうしたら良いかわからない。
でも、時間がない。
そう思ったら、あたしの足は、ある場所に向かっていた。
***
「え?優斗の欲しがるようなもの?」
珈琲から口を離し、怪訝な表情を浮かべるのは、優里花さん。
「はい…」
「それって、杏里ちゃんがサンタになるってこと?」
「サンタっていうか、やっぱり恋人同士なのに、イベントに参加しないのもなぁって…」
あたしの言葉に、「なるほどねぇ」と、再び珈琲に口をつける。
「うち、サンタ来なかった家計だしねぇ。
なんでも喜ぶんじゃない?
まぁ、一番は…」
妙なところで切るから、気になる。
ん?と首を傾げると、優里花さんはニヤリと笑う。
「一番は、杏里ちゃんをあげること、でしょ?」
………。
「えっと…、一応あたし優斗さんのものなんですけど…」