「と、言うことで。
友、ちゃんと知っておきたいの。
蓮の彼女って、美麗さん?」
突然の言葉に、あたしと優斗さんは目を合わせた。
言っていいものなのか、と。
「言って?
知りたいの。全部知って、その上でしっかり別れたいの」
しかし、友美は真剣な表情なわけで。
あたしはゆっくりと目を瞑り、首を縦に振った。
「そう、だよ。
ごめん…」
「やっぱりかー。
美人だもんねー」
だけど友美は、聞いてあっけらかんとしていて。
驚くほどなんの反応もなくて、こっちが面食らってしまう。
「よし、決めた。
ちゃんと別れて、スッキリする。」
そう言ってお菓子を食べ出す彼女を見て、何となく成長を見た気がした。
***
「おいしー」
ハンバーグを食べながら、頬を押さえる友美。
「ほんと?優斗さんは?」
「ん、絶品」
やけにストレートに言うから、恥ずかしくなる。
「あー杏里真っ赤ー!」
面白そうにあたしを見るから、恥ずかしさを隠すように、急いでハンバーグを食べた。