「そっか。
怒り、とかは、ないの?」


あたしの言葉に、友美はゆっくり首を横に振る。



「むしろ、感謝しかない。
だって、初めて友を本気にさせてくれた人。

例え子ども騙しな恋愛と言われても、友は誇りに思う。

だって、大切なこと、学べたもん。

だから、怒りなんて存在しない。


なんだか清々しい気持ちなの」




そう話す友美は、ほんとに清々しい表情を浮かべていて。



なんとなく、大人を感じた。



「友美ちゃんは強いな」



そんな友美を安心したような表情を浮かべる。



「そうかな?でも、本心だよ?

だから、杏里、優斗さん。
友と蓮が出逢ったこと、後悔しないで下さい。
自分たちを攻めないで下さい。

友は、二人にも凄く感謝してるよ?」



その言葉を聞いて、プツリと糸が切れる。



涙腺が一気に緩み、一筋の涙が零れ落ちる。



「友美…ありがとう」



「絶対杏里は泣くと思ったー」



友美はそう言いながらあたしを抱き締めてんくれる。


ずっと後悔してた。



なんであの時って。



それ、気付いてたんだね。



少なくとも、マイナスだけじゃなかったんだね?



そう思ったら心が軽くなった。