優斗さんは、何を言うわけでもなく、そっと顔を寄せる。
あまりにも静かに、寄ってくるものだから、あたしの心臓は激しく脈打つ。
だって…洗面所には友美がいるんだよ?!
なのに、これは…///
そして、唇が合わさるかのように、ギリギリに近付いて…
何故か唇は、耳元へ。
「友美ちゃん、多分胸の内を話してくるから、ちゃんと聞いてやれよ?」
「………へ?」
あっ、あれ?
キョトンとするあたしを見て、ニヤリと笑う彼。
やられた…。
「何期待してんだよ」
顔を離しながらそんなことを言われ、恥ずかしさから俯く。
「真っ赤になっちゃって」
それにも関わらずからかう彼は、意地悪だ。
「ちょっと、なに二人でラブラブしてんのぉ」
そんなあたし達に割りこんだのは、もちろん友美で。
「別に、ラブラブなんてっ」
あたしは、優斗さんを押し、友美の元へ。
「ふーん…?顔、赤いけど?」
「ウソッ?」
「ほら、ラブラブしてたんじゃん」
ムッスーとする友美に頭が上がらず、そのままリビングへ。
買ってきたお菓子を広げ、ジュースを注ぐ。