友美は、袋を持ちながら満面の笑みを見せる。
そんな友美を見て、何故か胸騒ぎがして。
「にしても買い過ぎだろ」
優斗さんは変わらず、エントランスに歩く。
あたしも残りの袋を持とうと、思った。
でも車の中には、もう袋は無くて。
代わりに、
「おい、杏里。置いてくぞ」
「早くー」
二人の呼ぶ声が聞こえた。
***
リビングに入ると、早速お菓子を食べようとする友美。
あたしは、そんな彼女の手をぺんっっ叩く。
「ほーら!
食べる前に、まず手洗いでしょ?」
「あーはいはい」
めんどくさそうにあたしを見て、渋々腰を上げる。
「まるで親子だな」
呆れ笑いを見せる優斗さん。
たしかに。
最近の友美は、なんだか女の子って感じ……
「ですよねー!
杏里は子ども~!」
普通にボケをかますから、目が点になる。
「違うでしょ!!
友美が子どもなのよ」
あたしの言葉に、ぷいっとして洗面所に向かった彼女。
す…拗ねるって、何歳よ、あんた。
呆れながらも、あたしはキッチンで手を洗う。
そして、紅茶とコーヒーを煎れようとしていたとき、後ろに気配を感じて振り向く。
「優斗さん…?」