そんなとき



「ねぇ!!そんなのんびり話してる場合じゃないよ!?」


急にありすちゃんが、興奮しだす。


何かと思って、ありすちゃんを見つめると、慌てたように彼女は説明を始めた。


***


「…つまり、結婚の方向ってこと?」



なんでも、美麗さんと、中島蓮が結婚する…



しかもデキ婚。



あたしの中で、たちまち苛々が募る。



なんで?!



「友美のときは、結婚なんて考え無かったくせにッッ」


あの子を、あんな辛い思いまでさせて。


あたしは力無く、床を叩いた。


「杏里…」


「杏里ちゃん…」



二人が心配そうに見つめるから、あたしは必死に作り笑いをして。



でも、そんなのお見通しな二人なわけで。



「杏里、ありす達の前では、無理しなくていいから」



ありすちゃん…、優里花さん…。



二人の優しい眼差しと言葉で、あたしは二人に抱き着いた。



「あたしっ、あたしが中島蓮と友美を出会わせちゃったからッッ」



あたしが、中島蓮と知り合いじゃなかったら。


今でも元気な友美がいた。



あたしが全部、崩しちゃった。


あたしの中の責任感が、一気に破裂した瞬間だった。