月曜日
登校すると、久しぶりの友美の姿。
教室の1番端の机に座り、空を見ている。
「友美!おはよう」
出来るだけ、明るく声をかけると、彼女はこっちを向いた。
「あ、杏里。おはー」
笑顔を見せる彼女に、不安な気持ちになる。
もしかしたら、無理をさせているんじゃないか、と。
「身体、怠くない?」
「え、うん。
だいぶ平気だよ」
苦笑い、そんな表情を浮かべる。
「身体より、心が辛い…」
ハハっと笑う彼女は、とても痛々しくて。
あたしは、彼女の手を握った。
「あたしは、いつでも友美の味方、だよ?」
すると、彼女は一粒の涙を零す。
「…辛いの、ほんとに、…辛いの。
自分の中から、生まれるはずだった命を掻き出されて。
友は、尊い命を、殺してしまったのっ。
友は人殺しなの!!!」
耐え切れず溢れ出た涙は、どんどんこぼれ落ちる。
このままでは騒ぎになってしまうため、あたしたちは、空き教室に移動した。