「うふふ。仲良しですねぇ。
交際してるんですか?」
ニコニコと微笑む彼女に、あたしは照れながら頷いた。
未だにちょっと照れ臭いんだ。
「どのくらい付き合ってるの?」
興味津々に聞いてくる彼女は、少女のようだ。
「たぶん、4ヶ月近い…かな?」
あたしがそう答えると、優斗さんも指で数える。
その姿がちょっと可愛くて。
「そっかー。モデルで彼氏がいるって、最高だね!」
彼女の微笑みは、安心できるものがあった。
その後、看護師さんは出ていき、再び二人っきりになる。
「優斗さん、ごめんね?」
「なんで急に謝ってんだよ」
笑い混じりの彼の姿を見つめる。
「迷惑ばっかり掛けちゃうんだもん」
すると彼は、あたしの頭を撫でた。
「人に迷惑かけられんのは、嫌いだ。
でも、杏里だけは、……特別だ」
その言葉を聞いた瞬間、あたしは優斗さんの腕を引っ張り、抱きしめた。
彼が愛おしい。
友美も、こんな気持ちなのかな。
だとしたら、あたし。
共感してあげることができるよ…。
あたしも優斗さんとなら、大人の階段を昇れる気がする。