お茶を口にしながら、時計を見る。



…10時か。


友美、もう病院かな…。



自然に出てきたため息が、憎い。



友達なら、こんな落ち込んでないで、支えてあげるべきなのに。



「松本さん、失礼します」




女の人の声が聞こえて、顔を上げる。



と、そこには白衣の天使……じゃなくて、看護師さんがいた。



わりと若めの彼女の手には、水銀血圧計があった。



「とりあえず、バイタル測らせて戴きますね?」



にこりと笑う彼女を見ると、なぜか気持ちが落ち着いた。



「よろしくお願いします」



すると、手際よく体温計が挿入され、指にはサチュレーションと呼ばれる、動脈血酸素飽和度を調べる機械が付けられる。



さらに反対の手では、脈も測られる。



……看護師さんって、こんないろいろやるの?!



「ビックリした?
イロイロやってて」



クスクスと笑いながら、脈を測る彼女にあっかん。



話ながら脈測れるの…?!



そして、その後血圧測定も終え、看護師さんが立ち上がる。



「うーん、まだ体温も高いし、脈も速いわ。
もしかしたら、今日は入院かもしれないですねぇ」



ちょっと申し訳なさそうに話す彼女に見とれる。



「なに、ボーッとしてんだよ」



優斗さんが隣で笑うものだから、あたしは軽く彼を叩く。