「お前、エレベーターの中で倒れてたんだよ。

丁度俺が下りようと思ったやつに、お前乗ってて、まじビビった」



そっそれは……他の方に見られなくて、幸運なんだか、不運なんだか…。



「ったく。
とにかく今日は寝ろ。明日、一応 病院行くからな」



「なんで病院!?
大袈裟だよ!」



あたしが全力否定すると、彼は哀れんだ目であたしを見た。



「杏里はバカなんだな」



何、いきなり!


ムッとして彼を見ると、くすっと笑われる。



「お前、39度の高熱でてんだぞ?」



「え…?」



39度…?



そういえば、確かに怠い。



頭クラクラするし…。



「でも、バカは風邪も引かないんじゃないの?」



あくまでもバカは嫌!
どうしようもない子みたいじゃんか!



すると、彼はニヤリと笑った。


「"バカは風邪引かない"ってのは、"バカは風邪引いたことすら、わからない"って意味だよ。


まさに杏里だろ?」



………え、そうなの?



てゆーか、なんだそのどや顔!!


ムカーとしながらも、やはり身体は辛いため、横になる。



今気付いたけど、冷えピタも凍りまくらもしてある。



やっぱりあたし、バカかも…。


なんて思った。