帰り道、ちょっと落ち着いた所で、あたしは友美の手を離した。
「杏里?」
急に離したから、友美は驚いている様子。
「実は、学校に…友美がラブホに出入りする所の写真が送られてきたの」
「え…?」
明らかに驚いて、そして「なんで?!」と困惑する彼女。
「分からないけど…
友美。ホテルには行ったの?」
「うん…。
蓮くんと入ったけど…」
どうしよう…。
このままじゃ、友美は退学になっちゃう…。
「友、退学になっちゃうのかなぁ?!」
涙目の彼女の手を、強く握る。
「大丈夫!!あたしと大翔先生で、頑張ってみるからっ!ね?」
そう言うと、少し安心したようだ。
「それじゃあ、今日はゆっくり休んで?」
「うん、ありがとう。
バイバイ」
友美を送り届け、自分も家に帰った。
今日は疲れたなぁ。
ずっと走ってたし。
エレベーターの中で、既に疲れがピークに来ていた。
あと少し…
そう思っていたが、いつの間にかあたしは、意識を手放していた。