『もしもし?杏里ちゃん?』
……うわ。
優斗さん以外の男の人と、電話するって…、結構緊張する…。
「はい、杏里です…」
って、緊張してる場合じゃないのにーっ!!!
『どうしたの?』
「あの、友美の居場所、分かりませんかっ?」
『えっ…なっなんで俺に、聞くの?』
何か、バレてはいけないことが、あるのかな?
「なんでって、そんなの中島蓮くんが1番分かってるんじゃないんですか?!」
少し強い口調に変わる。
バレてはいけないとか、そんなのかまっていられない。
『友の居場所は、知らないよ。昨日来て、すぐ帰ったからね』
え……帰った!?
「でも、家には帰ってないんです!!
心当たりとかありませんか!?」
『ちょっと分からないな。
あ、ごめんね。もう戻らなきゃ』
「あ、ありがとうございました…」
あたしは通話を切り、ため息をつく。
どういうこと?
昨日、中島蓮くん家に行って、でも泊まらなかった。
でも家には帰ってない。
なら、友美はどこにいるの?!
適当にカラオケやお店は見て回ったが、どこにもいない。
そうこうしているうちに、夕方になっていた。
どうしよう…。
ほんとに分からないよ。
友美が行きそうな場所って、どこ!?
そう考えたとき、あたしに思い浮かんだのは、たった一つの場所だった。