「一目、彼を見たいだけだ。そうしたら、もう帰ろう。体に障る」 「…そうだね」 ノックをしても返事はなかった。寝ているんだろうか。 静かに扉を開けると、真白いベッドに横たわる、綺麗な男の人がいた。 窓に寄せられたベッド。彼はじっと外を眺めている。 「作間さん」 びくりと肩が跳ね、ゆっくりと振り向く。