そんな私を軽蔑するわけでもなく、彼は笑った。


馬鹿にする風でもなく、ただ純粋におかしいといった具合に。


「君、変わってるね。変な子」


「お前こそ変わり者だろう…こんな辺鄙な場所、人がくるところじゃない」


「君だって人じゃないか」


…そうだった。今は確かに人なのだ。変わり者同士、距離を縮めるのにそう時間はかからなかった。



「遠くに行きたいなあ」


彼はごろりと寝転びながら呟いた。私も並んで、同じようにした。



「ここの暮らしが気に入らないのか?」